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山口ひろみ(テイチクエンタテインメント) 「最終出船」  女性の悔しく切ない想いをぶつけて歌う哀愁演歌   レコ―ディンクに4時間半   映像シーンを再現させる作品 [インタビュー]

山口ひろみ2.jpg◆テイチクエンタテインメントの歌手、山口ひろみが2018年11月に出したシングル「最終出船」(作詞・麻こよみ、作曲・岡千秋、編曲・南郷達也)は、レコーディングに約4時間半もかかった、彼女にとっては<難産>とも言える作品であった。カップリングの「心の糸」が、わずか30分で終了したのに比べると、大変な作業だったことが分かる。その理由は、従来の演歌とは違う主人公の性格表現に手間取ったからであった。彼女にとっては「17年歌ってきて初めて」の体験で、未だに完成形に至っていないという。



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 最終の船で去ってゆく男性を、主人公は坂道を裸足で、しかもつま先は凍り、髪の毛も振り乱しながら「どうしてなの、行かないで」と、悔しさを滲ませながら叫んで追いかける。
 従来の演歌の主人公なら、泣きながら船を見送る切なく健気な女性なのだが、この作品は大阪弁で言えば「私を置いていくなんて、なんでやねん」と叫ぶところであろう。

 レコーディングの前には、繰り返しレッスンも受けた。
 「最初は弱く歌っていたんですね。すると岡(千秋)先生が、全く良いところがない、もっと悔しさ辛さを前に出して歌いなさい、言われるんです」
 山口は何度も歌い直すが、一向にOKが出ない。
 思わず「しんどい(歌)ですね」と漏らすと、岡は「歌うということはしんどいもんなんや」と叱咤した。

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第271回大阪発流行歌ライブで歌う山口ひろみ

 この歌のサビでもある ♪ あなたなぜです 〜 は、今までならば「色っぽく歌っていたフレーズ」だったが、遠くへ届くように前へ前へと声を出す。
 さらに ♪ 髪が乱れて 〜 から最後の2行は「従来ならば押し殺していた感情を、入れ過ぎるぐらいに表に出して歌うように、と忠告されました」と山口。

 こんなに難航したレコーディングは初めてで、いつも明るく元気な彼女も「つい悲しくなって涙が出てしまい、とうとう泣いてしまった」一幕もあったほどである。

 山口に岡が楽曲を提供するのは久しぶりだった。その岡が「山口ひろみの殻を破りたい」と言って作ったのが、今作である。キー合わせの段階から、美空ひばりのキーを試すなど、いつも以上に力が入っていたようだ。

 それだけではなく「腕を大きく挙げて」など、珍しく岡は振り付けの指導まで行なっている。「こんなことは初めてでした」と、山口は驚く。
 その岡は「難しい歌だけど、これには低音から高音まで音域の広さ、感情表現の方法、コブシの入れ具合など演歌に必要な要素の多くが詰まっている<演歌の教科書>でもある。これを歌えると、どんな歌でも歌えるから頑張れ」と励ましの言葉も掛けている。

■新たなファン層獲得へ

 CDが発売されて約4ヶ月がたつ。それでも山口は「今なお課題がいっぱいで、ステージに立つたびに歌は進化しています」と、表現方法に工夫を凝らす。
 山口がそう話す「最終出船」だが、ドラマチックな歌に聴き手からは予想を超えて、なかなかの好評である。

 普段はまったく演歌を聴かないという20代の女性が「これを聴いて胸を掴まれ、涙が出てきました」と感想を漏らしたというが、演歌を聴かない人、カラオケを歌わない人が映像作品を見るかのように、ストーリーに惹きつけられるケースも少なくない。この歌ならではなのだろう。





[山口ひろみ オフィシャルサイト]
http://www.kitajima-music.co.jp/hiromi/
[山口ひろみ テイチクエンタテインメント]
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/yamaguchi/










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