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五木ひろし 詞を理解し、歌唱を工夫することを恒常的にできるのがプロ歌手  昭和流行歌の歌謡論「昭和歌謡黄金時代」を出版 [書評]

◆来年デビュー50周年を迎える五木ひろしが、それを飾るかのように「昭和歌謡黄金時代」(ベスト新書)を出版した。50年の間に出したシングルレコード / CDは130枚を超えるが、著書としては初めてかな・・・。

五木ひろし・昭和歌謡黄金時代.jpg

 1965(昭和40)年に松山まさるの名前で日本コロムビアからデビューした五木自らが「わたしにとっての歌はまさに<昭和歌謡黄金時代>とともにありました」と語るように、歌手としての50年間の大半は昭和歌謡の黄金期であった。

 その長い歌手活動を五木は「挑戦と継承というテーマを課してきた」という。今、大阪新歌舞伎座で公演中の「新歌舞伎座開業55周年記念 五木ひろし特別公演」はまさに、その継承にあたるものだろう。
 本書ではそうした中で体得した歌手としてもっとも大切なこと、さらには歌謡曲とは何かといった歌謡論にまで触れている。

 そのひとつが「歌の基本は<詞・ことば>である」といった指摘だ。

 「メロディーを歌おうと思うだけではなく、詞の中身を伝えたいと思って歌ってきた」と五木が言うように、歌手は「歌手にしかできない表現方法、歌唱におけ る抑揚のつけ方や味の付け方によって、詩人・作詞家が言葉で伝えようとしたテーマを、メロディーにのせて正確に的確に聞く人に届ける」ことを使命とするのである。

 しかも自分というオリジナル性を大切にして「詞を理解し、どのような歌唱にするか工夫を加えていく ~(中略)~ ことを恒常的にできるのがプロの歌手」と言い切る。


新歌舞伎座開業55周年記念 五木ひろし特別公演.jpg さらに「時代の空気をとらえて歌うのが流行歌」であり、「絶対に流行る、ヒットすると信じ、その自信がなければ、聞いている人にはその歌の良さは伝わらな い」など、大ベテランであり、去年まで42回連続でNHK紅白歌合戦に出場しているという実力の裏付けをも披露している。

 本書ではまた、「カチューシャの唄」に始まる昭和歌謡の歴史を綴っていることは言うまでもない。

 戦後歌謡の幕開けとなった「リンゴの歌」の誕生秘話や、今となっては「追いつくことも追い抜くこともできなくなった」という永遠の歌手美空ひばりのこと、 原石を磨いてきたテレビ番組「スター誕生」の功績、1982(昭和57)年に「契」で初めてコラボし、立て続けにデュエット曲りスタンダードなった木実ナ ナとの「居酒屋」を書いた阿久悠の幅広い仕事ぶりも紹介する。



今、新歌舞伎座では「新歌舞伎座開業55周年記念 五木ひろし特別公演」
が上演されている

 古賀メロディーは歌謡曲の原点と位置づけ、春日八郎、三橋美智也、三波春夫、村田英雄らの歌が昭和歌謡曲黄金期の幕開けとなったことなどにも言及している。

 「歌謡曲を歴史的な文化として、しっかりと位置付けていきたい」と言うように、本書は貴重な昭和歌謡曲文化史でもある。

 そこには自身の作品も含めてこうした数々の歌が歌われてきたが、「スタートボタンを押してくれれば、五木ひろしの中に収納されている数千という歌謡曲の名 曲を、いつでも生の歌として歌いだせる用意ができている」と記しているなど、自らがそれの継承者として生きていることを表している。


[五木ひろし オフィシャルサイト]
http://www.itsuki-hiroshi.co.jp/





昭和歌謡黄金時代 (ベスト新書)

昭和歌謡黄金時代 (ベスト新書)

  • 作者: 五木 ひろし
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2013/11/16
  • メディア: 新書



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